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【産婦人科医コラム】アンチエイジングで妊娠力UP(前編)2018.08.31

近年、「アンチエイジング」という言葉が社会にあふれ、医療現場でも健康で若々しく生きるために統合医療というものが行われています。

アンチエイジングとは、老化を遅らせ最高の健康状態を目指すことで、このアンチエイジングには「抗酸化」「抗糖化」「抗炎症」の三つのキーワードがあります。

アンチエイジングその1「抗酸化」

体内に発生する活性酸素が体を錆びつかせることによって老化の原因となるもので、この老化につながる酸化を防ぐことがアンチエイジングに役立つと言われ、卵子の老化も酸化ストレスが原因となります。

アンチエイジングその2「抗糖化」

体の中でタンパク質と余分な糖が結びつき、タンパク質が変性・劣化してAGE(糖化最終産物)を生成させます。

加齢や不適切な生活習慣によって必要以上に糖化が進むと、AGEの蓄積によって糖尿病や動脈硬化、認知症など様々な病気を発症させることに繋がると言われています。

アンチエイジングその3「抗炎症」

肥満や老化の原因は慢性的な炎症と言われており、脂肪の蓄積によって全身で炎症が起こり病気を発症させるというもので、老化の原因となる炎症を防ぐことがアンチエイジングになると言われています。

この抗酸化、抗糖化、抗炎症に対して様々な専門領域からアプローチしようというのがアンチエイジング医療、統合医療です。

不妊症に対するアンチエイジング医療

生殖医療の現場では、最近の晩婚化の現状からこの10年で不妊症患者の平均年齢が5歳上昇し、その結果、配偶子や胚のエイジングが問題になっています。

女性が積極的に社会進出し、キャリアアップを目指し元気で見た目も若々しく、輝いている女性がたくさん増えました。

一方で卵子の老化という現実に直面し、苦悩する女性も少なくありません。

どんなに見た目が若く体力に自信があっても、妊娠できる年齢の限界は昔から変わっていないのです。

卵子を老化させる一番の要因は加齢ですが、その他にも喫煙、不規則で偏った食事、肥満とやせすぎ、精神的ストレス、睡眠不足、運動不足など生活習慣の乱れも大きく影響します。

統合医療を利用したアンチエイジング医療

そこで生殖医療の分野にも統合医療が導入されつつあります。

例えば、低反応レベルレーザー(低い出力のレーザーを利用し細胞の活性化を図る)を導入する施設が増えてきています。

これは、首周りやお腹などにレーザーを照射することで、ホルモンバランスを改善したり、子宮や卵巣の血流を増加させたり、質の良い卵子を育てるなどの効果も得ています。

またパワープレート(前後、左右、上下の三次元高速振動により筋肉を刺激、活性化し運動効果を最大限に高めるマシン)があります。

ストレッチやリラクゼーションポーズを組み合わせてトレーニングすることで、疲労回復、脂肪除去、血流促進、基礎代謝向上などの効果が期待されます。

アンチエイジング医療に関連する検査

その他に血液検査では、AMH(アンチミュラー管ホルモン)、酸化ストレス度テストの測定があります。

AMHは卵巣の中にどれだけの卵子が残されているかを表すもので、妊娠するために潜在する卵巣の能力を知っておくことはとても大切です。

酸化ストレス度テストでは、抗酸化力が分かり、この結果に応じて個々に適したサプリメントの処方も行います。

今回はアンチエイジング医療と不妊治療との関わりについて紹介しました。次回は酸化ストレスに打ち勝つための自分でできる体作りについてお話ししたいと思います。

浅野明恵

医療法人社団神谷レディースクリニック

女性へのメッセージ

不妊治療は、後悔することがないよう納得しながら進めていくことが大切です。そのための適切な情報提供や心のケアなどを、日々サポートさせて頂いております。最近は、妊娠力アップのために食事や運動、睡眠、メンタルなどを整えることが大事だと言われています。健康で安全に妊娠、出産、育児期を迎えられるよう、また一人の女性として若々しく、生き生きとした生活を送れるよう、少しでもお手伝いが出来ればと思います。

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