【産婦人科医コラム】低用量ピルについてのいろいろなこと(1)2019.05.10
私が総合病院の勤務医をやめ、都心にレディスクリニックを開業したのが平成7年。
分娩も手術もしない婦人科のビル診は当時あまりありませんでした。
妊娠やお産でもなく、総合病院の婦人科を受診するまでもないのだけれど、何か体の不調のある女性が気軽に相談することができる「保健室」のようなクリニックを作れたらと思っての開業でした。
そのころの主たる仕事は婦人科の健康診断をして安心してもらうこと、婦人科疾患を見つけて総合病院に紹介すること、等々ごく一般的な診療をしていました。
低用量ピルの解禁が一つの契機になりました。
当初「避妊のお薬でしょ」とか「副作用が強いんですよね」とかの批判を受けながら少しずつ使い始めてくださる方が現れ始めました。
私のほうもそれまで処方をしたこともない低用量ピルだったのですが、私が男性の医師であるせいかピルユーザーの皆さんが、いろいろなことを(今でもですが)、教えてくださいました。
「このピルに変えてから生理痛がなくなった」
「生理痛が軽くなった」
「生理痛が強くなった」
「このピルに変えたら経血量が増えた」
「生理の量が減った」
「生理が来なくなった」
「ピルを1日のみ忘れても全く問題ない」
「毎日ピルを飲むと決めている時間から飲むのが1時間遅れただけで出血してしまう」
などなど、薬の添付文書には載っていない、それぞれのピルの製剤による違いや個人による差、年齢による差などを教えてもらっています。
本日は低用量ピルの処方体験についてお話いたしました。
次回もユーザーの方からのご意見と、私が最近外来で行っていることについてお話ししたいと思います。
*文中の記載内容には薬剤の適応外使用が含まれます。
*薬剤を使用する際には主治医の判断に従ってください。