乳がんを見つけるため、セルフチェックと定期検診を習慣化しよう!2019.08.14
乳がんは40~50歳代の女性に多いがんのひとつです。
早期に見つかると治る可能性が高いがんですが、進行することで体のあちこちに転移し命にかかわることもあるため、早期発見・早期治療が欠かせません。
この記事では、乳がんのセルフチェック方法や定期健診の種類、受診の頻度などを解説します。
乳がんのセルフチェックはどうやってやればいい?
乳がんは、表面に近い部分に起こるがんであるため、自分でもがんを見つけられる可能性があります。
そのため、がん検診に加えて、月に1回の自宅でのセルフチェックを行いましょう。
視診
視診は見た目の変化を観察する検査です。
鏡に向かって以下の姿勢をとり、乳房に変化があるかどうかを確認しましょう。
- 両腕を高く上げる
- 両腕をまっすぐに下ろす
- 両腕を腰にあてる
このとき、乳房にひきつれやくぼみ、ただれの有無を確認します。
これらの症状がある場合には、乳腺科などの専門科を受診し検査を受けましょう。
触診
触診は、触って変化がないかを確かめる検査です。
3~4本の指をそろえ10円玉ぐらいの「の」の字を書くようにして、乳房全体と脇の下をゆっくり触り、違和感がないかを確かめましょう。特に、乳房の外側上部に注意します。
あおむけに寝た姿勢や、お風呂に入った時にボディーソープを使い確かめるとより分かりやすくなります。
このとき、しこりの有無のほかに、乳首からの分泌物の有無も確認しましょう。
乳がんの定期健診の種類
乳がんは早期発見し治療することで90%以上は治るものです。
そのため、定期的に乳がん検診を受け、がんを早期発見し治療を行うことが非常に大切です。
乳がん検診は以下の4つの方法があり、以下の検査などを組み合わせて診断します。
問診
問診は、医師の診察や診断に必要な情報を記入するものです。
乳がん検診の問診表には、初潮や閉経時期、生理周期、これまでの妊娠や分娩の経験、家族の中にがんになった方がいるか、そのほかに持病の有無、服用中の薬はあるか、最近体調に変化はあったなどを記入します。
この問診表をもとに診察時に医師からの質問に答えていきます。
視触診
視触診は、医師が目視で乳房にくぼみや皮膚の引っ張りなどがないかを確認し、しこりがないか、周辺のリンパ節が腫れていないか、乳頭から分泌物がないかなどを調べる検査です。
視触診は腫瘍がある程度大きくないと、判別が難しくマンモグラフィ検査を併用します。
マンモグラフィ検査
マンモグラフィ検査は、乳房専用のX線検査で乳房を2枚の板で挟み、乳房全体を撮影します。
乳房を挟むため個人差はありますが痛みを伴う検査です。
マンモグラフィではしこりになる前の石灰化した小さな乳がんを見つけることができ、乳がんの早期発見に適します。
若い患者は乳腺が多く、乳がんとの区別がしにくいことから超音波検査などを併用し診断するほか、検査に伴う少量の被ばくについても理解しておきましょう。
超音波(エコー)検査
超音波検査は、視触診だけでは判別しにくい場合や、乳腺と乳がんの区別がしにくい若い女性のマンモグラフィ検査と併せて行われる検査です。
検査による痛みはありませんが、医師の経験が必要で小さな石灰化は発見しにくいことが挙げられます。
乳がん検診はどこで受ければいいの?
乳がん検診は、市町村が行っている住民健診や職場によっては乳がん検診をすすめている企業もあります。
受診ルートはさまざまですが、近くの医療機関や地方自治体の検診窓口で予約を行うのが一般的です。
近年、各自治体のホームページなどで乳がん検診の実施状況や検査を行っている医療機関などの情報を掲載していますので、そちらを調べたうえで予約するとよいでしょう。
どのくらいの頻度で検診を受けるべき?
乳がんは40代女性の患者が増加していることから、40代以上の女性の場合、2年に1度の検診を推奨しています。
これまでにがん検診を受けた経験がないという方は、乳がん検診を行っている医療機関を受診し検査を受けることをお勧めします。
併せて月に1度、セルフチェックを行い、違和感がある場合には医療機関で詳しい検査を受けましょう。
また、20~30代の女性は2年に1度の定期検診は対象外ですが、月に1度のセルフチェックを行い、違和感があれば医療機関を受診して検査を受けることが大切です。
おわりに:月に1回のセルフチェックと定期健診の習慣化を!
乳がんは年々増加傾向にあり、好発する年齢も下がってきています。
しかし、乳がんは早期の段階であれば治るがんともいわれており、早期発見と早期治療が欠かせません。
乳がんを見つけるためには、2年に1度の定期健診のほかに、セルフチェックが有効です。
毎月セルフチェックを行うことでご自身の乳房の状態が把握できるようになります。
少しでも違和感があれば、ためらわず専門医の診察を受けましょう。
(medicommi 2019年6月6日)