夏なのに冷え性でつらい・・・。原因は?予防するためにできることは?2019.09.04
暑い日が続くと、冷たいものを多く摂ってしまいがちですよね。
しかし暑いと感じていても体が冷えている場合があります。
そこで今回は夏の冷え性の原因と対策などをご紹介します。
夏なのに冷え性に悩まされる原因は?
人の体は、夏など暑い季節には冷たいもの、冬など寒い季節には温かいものなどを食べて体温を調整しようとします。
昔は冷たい麦茶やスイカなどを食べて体を冷やしていましたが、今は自宅でも外出先でもエアコンが完備されているため、昔と同じような生活をしていると冷え性になる可能性があります。
また、お風呂をシャワーだけで済ませてしまうことも、冷えの原因のひとつとして考えられます。
シャワーだけの入浴は体が温まらないだけでなく、血行を悪くすることにつながるといわれています。
さらに、夏の冷え性は内臓が冷えてしまうことも特徴です。
胃腸が冷えることで胃腸炎、女性では子宮や卵巣が冷えることにより不妊症や月経不順につながることが知られています。
また内臓が冷えると自律神経のはたらきも乱れるため、不眠や食欲不振など、体にさまざまな影響を及ぼします。
一般に、男性よりも女性に冷え性がみられる原因として以下のような理由があります。
筋肉量が少ない
人の体温の4割は、筋肉で調整されています。
女性が冷え性になりやすいのは、男性よりも筋肉が少なく、脂肪が多いからと考えられています。
また脂肪は一度冷えてしまうと温まりにくい性質があります。
ホルモンバランスの乱れ
女性は月経の前後で、エストロゲンやプロゲステロンなどのホルモン分泌がそれぞれ調整されて月経リズムが決まります。
このホルモン分泌と体温調整を行うのが脳の視床下部であるため、ホルモンバランスが乱れることによって体温調整にも影響が出るといわれています。
夏の冷え性になるとみられる症状は?
全身に血液が巡っているため、私たちの体は温かさを保っています。
しかし血行が悪くなると体が冷えるため、熱を逃がさないように血管が細く、特に顔や足などの末梢血管は細くなると考えられます。
その結果、健康を維持するために必要な酸素などが行き届かなくなるだけでなく、疲労物質などが代謝されないままになるため、痛みやこりなどを引き起こしやすくなるといわれています。
具体的には、主に以下のようなさまざまな症状がみられます。
- 頭痛
- 肩こり
- むくみ
- 微熱
- 腰痛
- 胃痛
- 腹痛
- 生理不順
- 下痢
- 頻尿
- 膀胱炎
- イライラする
- 疲れやすい
夏の冷え性になりやすい人の特徴は?
夏の冷え性になりやすい人の特徴として、主に以下のようなものが考えられます。
食事
冷蔵庫などで冷やした飲みものや、いつも氷を入れた飲み物を口に含んでいると体が冷えやすくなります。
また、食べものを温めずに食べたときも体温が上昇しにくくなります。
このような習慣は体を内側から冷やし、むくみの原因にもなります。
体温以上の食べものや飲みものをとるようにしましょう。
運動、入浴
湯船につからずにシャワーで済ませると、体が十分に温まらず、血流を悪くすることにもつながります。
また、運動をせずに食事制限を行ってダイエットをしていると、筋肉量が減少し、冷えを招きやすくなります。
筋肉は毛細血管がたくさん集まっているため、適度な運動で筋肉を動かすことにより血流が良くなり、体が温まるといわれています。
温度差
日中はエアコンの効いた室内、就寝時にも普段の温度設定でエアコンをつけていると、夏の冷え性につながりやすくなります。
またエアコンの効いた室内と屋外を行き来することが多いと、自律神経が乱れて冷えを招くといわれています。
夏の冷え性を予防するには?
夏の冷え性を予防するには、主に以下のようなものが考えられます。
食事
冷たいものは体を冷やすため、常温の飲み物や温かい食べ物をとるようにしましょう。
また、食事のときにスープや味噌汁などを食べるようにすると、体の内側から体を温めてくれます。
また、フルーツや小麦などは体を冷やすことが知られています。
東洋医学では以下のように体を温めるものを陽性食品(主に色が濃く、冬に旬を迎える)、体を冷やすものを陰性食品(主に色が薄く、夏に旬を迎える)にわけているため、参考にするのもおすすめです。
- 陽性食品…海藻、人参、赤身の魚や肉、味噌、紅茶など
- 陰性食品…バター、レタス、バナナ、牛乳、マヨネーズなど
入浴
39~40度くらいのぬるめのお湯に15~20分程度、ゆっくり浸かることがポイントです。
額が少し汗ばんだら、体の芯が温まってきたサインです。
またバスソルトを入れると血流を改善し、体を温めてくれます。
バスソルトで使われているミネラル成分は、温まった体を覚めにくくしてくれるといわれています。
このとき、食用の塩を入れる場合には、1回50g程度入れてみましょう。
また、お風呂上りには早めに髪を乾かして体が冷えないようにしましょう。
衣類
丈が長いものを選ぶと体の冷えを防止してくれます。
またストールやカーディガンなど、羽織るものを持っていくと外出時にも調整できます。
肘を冷やすと肩こりにつながるため、長袖や七分袖のものを選ぶといいでしょう。
おわりに:全身の血流を良くして、冷えから体を守りましょう
暑いからといって冷たい飲みものを好んで飲んだり、お風呂はシャワーだけで済ましてしまうといったことを続けていると、血流が滞って体の冷えを招きます。
できるだけお風呂に浸かるようにするなど、できることから始めてみましょう。
(medicommi 2019年7月29日)