タバコに含まれるタールってどんな成分?2019.12.04
タバコに含まれるさまざまな有害物質のひとつにタールがあります。
この記事では、タールがどんな物質かを解説するとともに、加熱式タバコに含まれるタールについても解説します。
タバコには有害成分がいっぱい!
タバコは人体に有害であることがわかっています。
タバコの煙には、タバコの葉が燃えることで発生する燃焼副生成物が多く含まれています。
この燃焼副生成物に含まれる化学物質は数千種類とも数万種類ともいわれますが、そのうち体に有害な物質は約200種類、さらに発がん性のある物質は50種類を超えています。
よく知られている有害物質は、タール、ニコチン、一酸化炭素です。
そのほかにもアセトン、ヒ素、カドミウムなどの毒性の強い物質が含まれています。
タバコを吸っている人が吸い込む煙を主流煙といい、空気中に広がる煙を副流煙といいます。
副流煙には、主流煙の何倍もの有害物質が含まれているといわれています。
タバコは喫煙する人だけではなく、副流煙を吸いこまされる非喫煙者の健康も害するリスクがあるのです。
タバコに含まれるタールってどんな成分?
一酸化炭素やガス状の成分をのぞくと、粒子状の成分が残ります。
この粒子状のものを集めたものをタールと呼んでいます。
タールとはいわゆる「ヤニ」のことです。
タバコを吸う人の歯が黄色くなったり、部屋の壁紙が黄色くなったりするのは、タールが付着してしまうためです。
また、タバコ臭さの原因もタールにあります。
1本のタバコに含まれているタールの量はわずかですが、喫煙歴が長ければ長いほど肺の中に蓄積されていきます。
タールには数十種類もの発がん性物質が含まれています。
声帯周辺に生じる喉頭がんや、肺がん、肝臓がんなどのリスクが比較的高いことがわかっています。
また、タバコに含まれる代表的な成分にニコチンがあります。
ニコチンはタバコへの依存を強くする物質です。
ニコチンは吸収が速く、脳に到達するとドーパミンという神経伝達物質を放出させます。
ドーパミンは、楽しいことをしているときや、食後に満腹になったときなどに放出される物質で、人間にとって心地良い状態を招きます。
しかし、ニコチンは消えてしまうのも早いため、脳が快感を求めてニコチンを得るためにタバコを吸いたくなるという仕組みです。
ニコチンの依存性は、ヘロインやコカインなどの麻薬よりも強いといわれています。
加熱式タバコはタールが少ないって本当?
加熱式タバコは、火とは別の方法で加熱をしてニコチンを吸収できるようにした新しい形のタバコです。
周囲の人が不快に感じる煙や灰を出さないことが特徴とされています。
また、人体に有害とされるタールの発生が比較的少ないこともメリットとされています。
タールが発生しやすい温度は500℃付近といわれていますが、加熱式タバコではそこまで温度が上昇しないため、タールの発生量が少ないと考えられています。
しかし、加熱式タバコが有害な物質を出さないという点には注意が必要です。
加熱式タバコの中には加熱温度が高いものがあり、火を使うタバコと同じく、タールを発生させてしまうものがあります。
また、加熱式タバコは、タバコの葉を電気で加熱して蒸気を発生させて、蒸気と一緒にニコチンを吸い込むという仕組みをしています。
発生する蒸気は目には見えないものの、ニコチンのほか、発がん性物質が含まれている可能性は否定できません。
加熱式タバコを使えば、必ずしも健康リスクが低くなるわけではありません。
また、周囲の人にも影響を与えている可能性があります。
おわりに:加熱式タバコにもタールが含まれることがある。健康のためには禁煙が一番。
タバコにはさまざまな成分が含まれていますが、人体に有害とされる物質は200種あり、その中には発がん性のある物質があることもわかっています。
近年は火を必要とせず、煙や灰の出ない加熱式タバコを使う人もいます。
加熱式タバコでは、その加熱温度によっては人体に有害なタールが発生しないといわれます。
しかし、全ての加熱式タバコがタールを発生させない条件を満たしているわけではないため、注意が必要です。
(medicommi 2019年10月8日)