赤ちゃんに牛乳を飲ませていい?母乳からの切り替えで注意することは?2020.03.18
カルシウムをはじめ栄養豊富な牛乳は、早くから子どもに飲ませてあげたいですよね。
今回は赤ちゃんに牛乳を飲ませ始めるべき時期について、母乳との違いや、母乳から牛乳に切り替える際の注意点とあわせて、確認していきましょう。
0歳の赤ちゃんに牛乳を飲ませても大丈夫?
白くてさらっとしていて、一見すると同じように見える母乳と牛乳ですが、含まれている栄養成分には以下のような違いがあります。
人間の赤ちゃんを育てる母乳は…
脳を早く発達させるため、乳糖と呼ばれる糖分が多く含まれている
牛の赤ちゃんを育てる牛乳は…
脳よりも体を大きくすることを優先するため、タンパク質やミネラルの濃度が高い
このため、母乳で成長するのに適した人間の0歳児が母乳代わりに牛乳を飲むと、牛乳の栄養成分を適切に処理できず、以下のような体調不良を起こしてしまいます。
0歳の赤ちゃんが、母乳代わりに牛乳を飲むことによるリスク
- タンパク質やミネラルの過剰摂取につながり、腎臓に過負荷がかかる
- 脳の発達に必要な乳糖が不足し、体の成長に悪影響が出る
- 牛乳の鉄分の吸収を阻害する成分により、鉄不足から牛乳貧血になる恐れがある
牛乳を与えていいのはいつから?
厚生労働省策定の「授乳・離乳の支援ガイド」によると、牛乳の飲用は1歳を過ぎてから始めるようにと指導されています。
一般的に1歳と言えば、離乳食と乳離れが完了し、母乳ではなくさまざまな食品から体をつくるための栄養を摂取できるようになる時期です。
このため、食べ物から摂取した栄養を処理する体の機能も上がってきますし、牛乳だけを摂取するわけではないので、牛乳による栄養面の影響を軽減することもできます。
生まれたばかりの頃に比べ、1歳になると赤ちゃんの体重はおよそ3倍、身長は1.5倍程度にまで大きくなります。
このように、体が大きく成長すること、またほかの栄養と一緒に摂取することを前提にできるため、厚生労働省は1歳を牛乳を飲ませ始めても良い時期と考えていると考えられます。
母乳から牛乳へ切り替える際の注意点は?
母乳から離乳食へ切り替え、牛乳を飲ませ始めるときは、栄養の偏りや下痢を防ぐために以下のポイントを守りましょう。
赤ちゃんの牛乳デビューで注意すべきこと
- いきなり冷たいものを飲ませるのではなく、離乳食に加えるところから始める
- 牛乳だけを飲ませるときも、母乳と同じ人肌程度に温めたものから与える
- 量はスプーン一杯程度から始めて、おなかの調子や子どもの様子をチェックしながら、徐々に量を増やしていくようにする
また前述したように、牛乳には鉄分の吸収を阻害する性質があります。このため牛乳に切り替えた後、しばらくは離乳食のメニューにレバーや大豆食品、小松菜、ホウレン草などを多く取り入れて鉄分を補ってあげてください。
なかなか離乳食や牛乳への切り替えがうまくいかない場合は、牛乳の代用として開発された「フォローアップミルク」を利用するのも良いでしょう。
フォローアップミルクは、牛乳に比べ鉄分やビタミンCを多く含み、離乳食期の栄養の不足・偏りを補うための開発された飲料です。
月齢だからと無理に離乳食や牛乳に切り替えたりせず、あくまでも子供の成長ペースや好みに合わせたかたちで、切り替えを進めてください。
おわりに:赤ちゃんに牛乳を与えるのは満1歳を超えてから。徐々に切り替えよう
牛乳はカルシウムをはじめ、タンパク質やミネラルなど豊富な栄養を含みます。
しかしその栄養バランスは牛の赤ちゃんを育てるためのものなので、0歳の人間の赤ちゃんが飲むには、健康上のリスクがあります。
赤ちゃんに牛乳を飲ませるのは、体がある程度大きくなり、離乳食からも栄養を摂れるようになる満1歳を超えてからにすべきでしょう。
また牛乳を飲ませ始めるときは、本人の好みや体調を鑑みながら、少しずつ切り替えてください。
(medicommi 2019年11月23日)