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【産婦人科医コラム】~貴女のライフプランのために~ 性の現状と性教育の大切さ②2020.11.12

~貴女のライフプランのために~ 性の現状と性教育の大切さ②

前回は避妊について知っていただきたいことをお伝えしました。今回は性行為による感染についてお話したいと思います。

性感染症について

現在の日本国内の若者の間で最も多い性感染症は、クラミジア・トラコマティスによる感染です。性交経験のある10代の約20%に感染があるともいわれています。症状が出にくい感染症ですが、不妊症や子宮外妊娠のリスクが増えたり、HIVの感染を受けやすくするなど、けっして軽視できない感染症です。症状がなくても積極的に検査を受けてください。

その他淋病、トリコモナス腟炎、尖圭コンジローマ(パピローマウイルス6・11型感染)、単純ヘルペスなどの患者さんにも、われわれは日常茶飯的に接しています。梅毒も増えてきていることが報告されています。

子宮頸がんも性行為による感染が原因

また、性感染症ではありませんが、性交で伝播するパピローマウイルス(HPV)の一部には悪性タイプがあり、子宮頸がんの原因になることを知ってもらいたいと思います。このHPVの感染率は成人女性の80%、性交経験のある10代女性の約40%ともいわれています。90%以上の方は自然排除され問題にはなりません。ここ数年、20歳―30歳代に子宮頸がんの患者さんが増えていますので、性経験があれば20歳ごろから子宮がん検診を受けていただくのがよいとされています。16・18型HPVのワクチンが2009年から接種できるようになり、既に多くの女性(特に現在21-24歳の方)が受けられていますが、接種後のまれな重い副反応についての報道がなされて以来、接種される方がほとんどいなくなってしまいました。今年、9価のワクチンも認可されました。早く安心してワクチンが接種できるようになってほしいものです。ワクチンと定期的な婦人科検診により、子宮がんで命を落とすことはもちろん、若くして子宮摘出をうける女性もなくしたいのです。

今回は性行為による感染についてお話いたしました。次回はライフプランについてお話ししたいと思います。

金丸恵子

医療法人金丸産婦人科

女性へのメッセージ

日頃の定期婦人科検診をはじめ、小児期・思春期から老年期まで女性の一生にお役に立てればと思います。入院施設はありませんが、近隣の病院と連携しています。完全予約制での診察を行っております。

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