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特別な器具なし!騒音が出にくいおすすめの室内有酸素運動とは?2021.05.27

 ランニングやジョギングなどの有酸素運動が体に良いことはわかっていると思いますが、ステイホームやテレワークの影響もあって取り組みにくくなったという人もいるのではないでしょうか。今回は、室内で手軽にできる有酸素運動をご紹介します。負荷の調整をしやすいものを紹介していきますので、運動が苦手な人、もう少し運動量を増やしたいという人は参考にしてください。

有酸素運動をすると、心と体にどのような効果が期待できる?

 有酸素運動とは、酸素を使って体内の脂肪や糖を運動エネルギーに変換しながら行う運動のことです。代表的なものとしては、ランニングやジョギング、ウォーキング、サイクリング、水泳、エアロビクスなどが挙げられます。

 対して、短距離走や重い負荷で行う筋力トレーニングなど、瞬発的に大きい力を発揮する運動は、筋肉を動かすエネルギーを得るときにあまり酸素を使わないとされていることから、無酸素運動と呼ばれています。

 有酸素運動は負荷が軽い運動のため、ある程度の時間継続して運動を行いやすく、以下のような健康効果が期待できます。ダイエットしたい人はもちろんですが、健康を維持したい人も積極的に取り組むことをおすすめします。

肥満の解消、LDLコレステロール値・中性脂肪値の改善

  • 20分以上の有酸素運動を行うことで、皮下脂肪や内臓脂肪が減少しやすくなる
  • 有酸素運動を習慣化することで、LDLコレステロール値や中性脂肪値の改善が期待できる

基礎代謝の向上

  • 有酸素運動を続けることは、体内の脂肪を減少させ筋肉量を増やすことになるため、結果として基礎代謝の向上の手助けになる

心肺機能の向上

  • 運動することで、心肺機能を高めることができる
  • 有酸素運動は、心肺持久力の強化に適しているといわれている

高血圧・糖尿病・動脈硬化など生活習慣病の予防、改善

  • 有酸素運動で酸素を多く取り込むことで、血糖値が下がりやすくなる
  • 1日に合計30分の有酸素運動を行うことで、高血圧の改善が期待できる
  • 動脈硬化の予防や改善に役立ち、動脈硬化でリスクが高まる病気を予防する助けにもなる

骨粗鬆症の予防

  • ウォーキングやジョギングなど、骨に重力がかかる運動は骨粗鬆症の予防に役立つといわれている

認知機能低下の予防

  • ウォーキングなどを続けることで脳への血流が改善され、認知機能の低下が防げる可能性があると考えられている
  • 有酸素運動がMCI(軽度認知障害)の改善に役立つ可能性が示唆されている

 また、はっきりと解明されたわけではありませんが、有酸素運動のような「適度な運動」をすることは以下の理由からメンタルヘルスにも役立つと考えられています。

  • 適度な疲労感は、睡眠改善効果やリラックス効果、ストレス解消に役立つと考えられている
  • 有酸素運動は、セロトニンやβエンドルフィンなど幸福感に関わるホルモンの分泌に関わると考えられている

有酸素運動は、どのくらいの時間や頻度で行えばいいの?

 運動量や頻度の目安は、年齢や健康状態、運動の目的によって変わってきますが、治療中の病気がなく、生活習慣病予防や肥満解消を目的にするのであれば、糖尿病改善で推奨される運動量を参考にしてもいいでしょう。糖尿病の改善が期待できる運動量や頻度の目安は以下のようになっています。

糖尿病改善を目指すための運動量の目安

  • 1日20分〜60分の有酸素運動を、少なくとも週3〜5回(1週間の合計=150分以上)行う(できれば毎日行う)

 これに加えて、レジスタンス運動(スクワットや腕立て、ダンベルトレーニングなどの筋トレのこと)を週2〜3回行うことがすすめられていますが、レジスタンス運動に関しては持病のある人や高齢者など推奨されない人もいます。持病のある人や高齢者は、必ずかかりつけの医師に確認しましょう。「運動のために週3〜5日もジョギングや水泳の時間はとれない」という人も多いでしょうし、天候によっては1週間運動する機会を作れなかったという人も少なくないでしょう。

 また、通勤中や出先の移動中に歩く機会を増やそうにも、テレワーク・リモートワークへの移行や外出制限の影響で、「〇〇のついでに運動」という機会も作りにくくなりました。室内でできる有酸素運動であれば習慣化しやすいですし、天候や時間帯、勤務形態にもあまり左右されません。熱中症予防や感染症予防にもつながりますので、この機会にぜひ覚えておきましょう。

室内でできる有酸素運動:もも上げ運動

もも上げ運動は、1分間に6kcalのエネルギーの消費が期待できるとされています。これは早歩きするのと同じくらいのカロリー量です。また、正しく行うことでお尻や股関節、太ももの筋肉が鍛えられることから、姿勢の改善、腰や膝のトラブルの予防にも役立ちます。

もも上げ運動のやり方

① 両足をそろえてまっすぐ立つ
② 腕を大きく振りながら、太ももが地面と平行もしくはそれよりも少し高くなる位置まで太ももをゆっくり上げていく
③ フォームを崩さないようにゆっくりと足を下げていき、つま先・かかとの順で足を着地させる
④ 反対側の足でも同じ動きを行い、この一連の動きを1回1秒くらいのペースで、15分間続けて行う

 運動負荷を上げたい場合は、1セット当たりの運動時間を5~10分ずつ追加していくか、軽めのダンベルを持つなどして、少しずつ負荷を高めていきましょう。スピードが速すぎる、太ももを上げすぎている、腕をうまくふれていないと姿勢が崩れてしまいやすいです。姿勢が崩れているときは、スピードを落としてフォームを確認するようにしてください。腕振りをやらずに腰に手を当て、もも上げをしフォームが安定してから腕振りを追加してもかまいません。

室内でできる有酸素運動:エア自転車こぎ

 エアロバイクはスペースや騒音の問題もあるので自宅には置けない人もいるでしょうが、「エア自転車こぎ」は、特別な器具も必要なく、手軽に腹筋と下半身の筋肉を鍛えながら有酸素運動を行えます。

エア自転車こぎのやり方

① 床に仰向けになる
② 腹筋で背中、腰、脚を天井に向けて持ち上げる
③ 両手で腰を持ち支える(肩・肩甲骨・両肘で体重を支える)
④ この状態のまま20回、自転車のペダルをこぐような動きをする
※この姿勢がとれない場合は、腰をつけたままでも問題ありません。

 フローリングでやると背中や腰が痛くなるので、マットなどを敷きましょう。腹筋を意識しながら脚1回転につき一呼吸することを意識し、正しい姿勢で20回できるまでは無理に回数を増やそうとしないでください。腹筋を重点的に鍛えたいときは、腰を持ち上げずにひねりの動きを加えたアブ・バイクがおすすめです。

アブ・バイクのやり方

① 床に仰向けになり、45°くらいになるように脚を上げる(このとき腰を反らせないように下腹部に力を入れる)
② おへそを見るように腹筋を使って肩甲骨を上げる(両手は頭の後ろで組み、肘を開く)
③ 腹筋を意識しながら、右肘と左膝をくっつけるように上半身をひねり、左膝を曲げる
④ 反対側も同じように行う
⑤ この一連の動きを、リズムよく20回繰り返す
※③④の肘と膝を付けるときは、両肘が閉じないようにしながら反対側の肘を床に付ける

 勢いや反動をつけたり、手で頭を持ち上げようとすると、首や腰を痛める可能性があります。慣れないうちは肘と膝を付けられないことも多いです。「腹筋に効いている」感覚があれば無理に肘と膝を付ける必要はありません。また、きつくなると呼吸が止まりやすいので、呼吸が止まらないペースで行うようにしましょう。

室内でできる有酸素運動:踏み台昇降

 踏み台昇降は、膝など痛めていなければ体力がない人でもできます。慣れてくると「テレビを見ながら、、、」という気持ちになりますが、「ながら運動」は落下や転倒の原因になるので止めましょう。

踏み台昇降のやり方

① 背筋を伸ばして、ひじを軽く曲げ、踏み台に向かって立つ
② 右足を踏み台に乗せ、次に左足を踏み台に乗せて登る
③ 右足を踏み台から床に降ろし、左足も踏み台から降ろす
④ 次は左足から踏み台に乗せ、その後右足を踏み台に乗せる
⑤ リズムよく交互に繰り返し、15分〜30分間くらい行う

 1分に40回〜60回のペースから始め、慣れてきたら少しずつペースを上げましょう。両手に軽めのダンベルを持つ、台の高さを高くすることでも負荷を上げられます。ただし、台の高さは10cmから30cmにおさまるサイズにしましょう。

おわりに:特別な器具のない室内でも、有酸素運動はできる!

 有酸素運動と言えば、屋外やフィットネスジムでのランニングやウォーキング、プールでの水泳などをイメージしがちですが、自宅の中でもできるものはあります。外出する機会がない、外に出るのが億劫でなかなか有酸素運動が習慣化できなかったという人は、ぜひチャレンジしてみてください。ただし、室内の運動でも熱中症やケガのリスクはありますので、水分補給と周りの安全確認は徹底してくださいね。

(medicommi 2020年9月2日)

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