気分が落ち込んでつらい…。解消するためにできることは?2021.09.02
仕事のミスや大事な人とのケンカ、思いがけないハプニングなどに直面すると気持ちがふさがって、憂うつを感じることもあります。この記事では、平常心を取り戻して回復するための解消法や、落ち込んだ気持ちとの向き合い方をご紹介します。
気分が落ち込むのはうつ病が原因?
心配事や悩みがあるとき、落ち込んだり気持ちがふさがるのは正常な反応です。2、3日気分が落ち込んだ状態が続いたからといって、うつ病になったというわけではありません。
人の脳と体は、トラブルが起きたときに精神面に変化を起こすようにできています。たとえば気分が滅入る、落ち込む、イライラするなどです。気持ちの変化には、自律神経である交感神経と副交感神経の働きが大きく関わっています。
交感神経
緊張や不安を感じると、交感神経が優位になります。脳を覚醒させ、眠気が起こらない、食欲がわかない、心拍数が上がる、胸がドキドキする、体温上昇、血圧上昇、汗をかくなどの変化があらわれます。
副交感神経
トラブルが落ち着いたり、気持ちが冷静になってくると副交感神経が優位になります。緊張や不安が少しずつ和らぎ、眠気を感じる、食欲がわく、心拍数や体温が落ち着く、血圧が安定するといった変化があらわれます。
気分の落ち込みを少しでも解消するには?
気分が落ち込んでいるときは、気分転換をはかります。その際のポイントを以下にご紹介します。
落ち込んでいる気持ちを無視しなくてよい
気分が落ち込むのは誰にでもあることです。「落ち込むのはダメなんだ」と思わずに、落ち込んでいる状態を受け入れてみましょう。
ネガティブ思考をポジティブに転換する
ネガティブ思考がくせになっていると、感情や行動も消極的になる悪循環に陥りやすくなります。仕事のミスで気持ちがふさがっているときも、ネガティブ思考を続けるのではなく、「今気づけてよかったんだ」とポジティブな捉え方をしてみるなど、視点を切り替えてみましょう。
問題や課題を一人で抱え込まない
気分が落ち込んだ状態で問題をひとりで解決しようとすると、心身ともに負担が大きくなりますし、視野も狭くなりがちです。身近な方に話を聞いてもらったり、自分とは違う視点からのアドバイスをもらうと、気持ちが軽くなることがあります。また、ソーシャルサポートを活用して問題解決を図るのもおすすめです。
体調を整える
睡眠や食生活が乱れていると、自律神経が影響を受けてなかなか気分が回復しないこともあります。また、やる気や幸福感と関連する脳内物質のセロトニン、ドーパミン、アドレナリンの分泌にも影響を及ぼします。規則正しい生活を送るとともに、適度な運動習慣を取り入れるなどして健康的に過ごしましょう。
気分の落ち込みが続いてる気がするときは?
気分の落ち込みが3日程度で和らぐ場合はうつ病ではない可能性が高いですが、強い憂うつ感が1日中続いてつらかったり、気分が塞ぎ込んだ状態が長期間(2週間以上)続く場合はうつ病の可能性があります。下記のうつ病チェックリストのなかで複数の項目に当てはまり、その状態が2週間以上続いている場合は医療機関や専門家の受診をおすすめします。
うつ病チェックリスト
- トラブルの有無に関係なく憂うつ感が続く
- 憂うつ、不安、寂しさ、悲しさ、焦燥感、いらだちが強い
- 周囲の人と会話をしたくなくなった
- あらゆることに集中できない
- 以前は興味や関心があった物事に心が動かなくなった
- 自分はダメな人間のように感じ、罪悪感がある
- 食欲不振、あるいは食欲過剰
- 眠れなかったり睡眠が浅い、あるいは10時間以上眠る
- 自殺願望がある
精神的な症状は気候や気圧、ホルモン、何らかの病気など、さまざまな要因によって引き起こされている可能性があります。気になるときは自己判断で済ませずに、プロの力を借りましょう。
おわりに:落ち込む自分を否定しなくて大丈夫。ポジティブに切り替えて回復を試みましょう
気分の落ち込みは誰にでも起こることですが、落ち込んだ状態が長続きするのはつらいものです。出来事の捉え方を変えてみたり、生活習慣を見直したりしてもつらさが続く場合は、念のため医療機関や専門家に相談しましょう。
(medicommi 2020年4月21日)