この湿疹は日焼けが原因?!治療法は?どうやってケアすればいいの?2022.03.10
湿疹の原因として、アレルギーのある食べ物の摂取や刺激物に触れたことなどが挙げられますが、実は日焼けが原因の湿疹もあると言われています。この記事では日焼けが原因の湿疹について、日焼けのせいで湿疹が出るときの仕組みや、湿疹ができた場合の対処法をご紹介します。
日焼けで湿疹ができることがあるって本当?
さほど長時間、または重度の日焼けをしたわけでもないのに、人によっては日焼けが原因で皮膚に湿疹などの症状が出ることがあります。このように、一般的には問題ない程度の日光で湿疹などの皮膚症状が起こることを総称して光線過敏性皮膚症と呼びます。
光線過敏性皮膚症は、薬などが原因の外因性、遺伝などが原因の内因性の2つに大別されます。そして、外因性光線過敏性皮膚症は光接触皮膚炎とも呼ばれ、以下の2つに大別されます。
外因性光線過敏性皮膚症の分類① 光毒性
- 皮膚に沈着した化学物質に日光があたって化学反応を起こし、毒性が生じて水疱や湿疹があらわれる
- 湿疹のあった場所に色素沈着が起こり、跡が残りやすくなる
外因性光線過敏性皮膚症の分類② 光アレルギー性
- 皮膚に付着した化学物質と、日光の化学反応で生じた物質を抗原としてアレルギー反応を起こすもの。アレルギーは化学反応によって生じる物質に対して起こるが、いったん発症すると、長期間にわたって日光にあたるだけでも症状が再発するようになる
上記2つは、症状の出る条件やアレルギー症状か否かという点で異なりますが、どちらも日光または紫外線を引き金に湿疹など皮膚症状があらわれるのが特徴です。
日焼けで湿疹ができるのはなぜ?
日光や紫外線があたり、日焼けするだけで湿疹ができてしまう原因として、本人の肌質・体質の他に、以下のような外因性の原因が考えられます。
日焼けで湿疹ができてしまう原因の例
- ヘアカラー剤に含まれるパラフェニレンジアミンなどが、日光で化学変化を起こした
- サンスクリーン剤(日焼け止め)に含まれるオキシベンゾン類などが、日光で化学変化を起こした
- 湿布など外用薬に含まれる成分が、皮膚で日光と反応して化学変化を起こした
- 上記のような化学変化で生じた物質がアレルゲンとなり、光アレルギーを発症した
日常的に使っている洗浄剤や化粧品、薬などが原因となり、誰にでも日焼けで湿疹ができてしまう可能性があるのです。
日焼けによる湿疹はどうやってケアすればいい?
光線過敏症を発症し、日焼けで湿疹ができてしまった場合、皮膚科に行って原因を特定し、原因に応じた方法で治療を受けることが推奨されます。病院では皮膚科専門医による診断のもと、原因に応じた薬剤の処方が受けられます。
また、日常生活で日焼けによる湿疹を防ぐためにできる予防策として、以下のような方法があります。皮膚科医に相談のうえで、できるところから実践しましょう。
自分でできる、日焼けによる湿疹の予防法
- 原因物質を含む化粧品、薬剤、日焼け止めなどの使用を徹底的に避ける
- 外出時には長袖の洋服や帽子、サングラスの着用を徹底し紫外線に当たらないようにする
- 紫外線が強い時間帯(午前10時~午後2時まで)の外出を極力避ける
- 屋内にいるときも、UVカット効果のあるフィルムやカーテンを積極的に利用する
- 皮膚科医のアドバイスのもと、原因物質を含まない低刺激の日焼け止めを使用する
- 生活習慣を見直して、自律神経と免疫力を高める努力をする
おわりに:日焼けで湿疹が出る可能性はあります。皮膚科で適切なケアと治療法のアドバイスをもらいましょう
光接触皮膚炎とは、皮膚上の化学物質に日光が当たって化学反応が起こり、その毒性に反応して皮膚に湿疹が出る症状です。特に肌が弱くなくても、化粧品や薬の影響で誰にでも発症する可能性がある症状で、発症した場合はすぐに皮膚科の病院に行って原因を特定し、適切な治療を受けることが大切です。また、受診後も日常的なケアが欠かせません。早めに受診して、医師のアドバイスをもらいましょう。
(medicommi 2018年9月19日)