お酒を飲んでいたらしゃっくりが止まらない!原因や止め方は?2022.06.09
「お酒の席でしゃっくりが急に出て困った…」という経験がある人も多いと思います。お酒を飲むとしゃっくりが出るのはなぜでしょうか。なかなか止まらないしゃっくりの対処法も紹介しますので試してみてください。
お酒でしゃっくりが出てしまう原因は?
ほとんどのしゃっくり(医学的には吃逆[きつぎゃく]と言います)は、横隔膜に何らかの刺激が加わることで起こります。その中でも、お酒でしゃっくりが起こりやすくなる刺激として以下のようなものがあります
温度差による刺激
冷たすぎるものや熱すぎるものなど、体温と温度差があるものを飲むと、体が急激な温度変化に驚いて筋肉が収縮します。胃や腸など、周辺の筋肉が収縮し、横隔膜が刺激されるため、しゃっくりが出やすくなります。
胃の拡張による刺激
お酒をたくさん飲むと胃腸が急激に拡張します。これによって横隔膜も刺激され、しゃっくりが出やすくなります。
笑い声や大声による刺激
お酒の席では会話が増えるだけでなく、笑ったり、大声で話したりする機会が多くなります。話し続けたり、大きな声を出したりするうちに体内に大量の空気が取り込まれ、横隔膜の動きが活発になって刺激が加わりやすくなります。
アルコールによる中枢神経への刺激
アルコールは中枢神経に作用して刺激を与えます。中枢神経は横隔膜と関係しているため、中枢神経に刺激が加わることで横隔膜に影響し、「中枢性しゃっくり」と呼ばれるしゃっくりが出ることがあります。
お酒によるしゃっくりを止める方法は?
ほとんどのしゃっくりは自然に止まりますが、すぐに止めたい場合は、以下のような方法を試してみてください。
舌を引っ張る
しゃっくりは横隔膜のけいれんによって引き起こされる現象ですが、発生にはさまざまな神経が関与しています。そのなかの一つが舌咽神経であり、舌を引っ張ることで舌咽神経を刺激すると横隔膜のけいれんが落ち着いてしゃっくりが治まることがあります。
しかし、この方法で止まらない場合もありますし、無理に強い力で引っ張ると舌を傷つけてしまうことがありますので注意しましょう。
耳の奥を押す
両耳に人差し指を入れ、耳の奥を30秒~1分ほど押します。ただし、耳の皮膚はデリケートなので、力加減には気をつけましょう。
また、呼吸器や循環器に持病がある方はこの方法を行わないでください。
息を止める
10秒ほどかけて息を吸ったら15秒間ほど息を止め、ゆっくり吐き出す方法です。血液中の二酸化炭素濃度が上がることで、脳からの「しゃっくりを起こす」という指令が伝わりにくくなります。
また、呼吸を止めることで、横隔膜のリズムが正常に戻りやすくなります。
水を飲む
水を飲んでしゃっくりを止める方法にはコップに入れた冷水を一気に飲む方法と、コップの反対側のふちから水を飲む方法の2種類があります。
いずれの方法も、しゃっくりを止めるポイントは迷走神経(脳から胃へ走る神経)が刺激されることです。
また、水を飲んでいる間は呼吸しにくいため、血液中の二酸化炭素濃度が上昇し、その影響でしゃっくりが止まるのではないかとも考えられています。
コップの反対側のふちから水を飲むとき、コップの中央にあごを置くような体勢になるので、そのまま顔を上げると水はこぼれてしまいますが、頭を反対側に深く倒すようにすれば水をこぼさずに飲むことができます。
病気が原因のしゃっくりもあるので注意
お酒によって起きたしゃっくりは、通常であれば数時間後には止まっていることがほとんどです。
しかし、しゃっくりが出始めてから3日以上経っているのに止まらない場合は、他の病気が潜んでいる可能性があります。重症化を避けるためにも医師の診察を受けましょう。
[長期間続くしゃっくりに潜む病気]
2~3日以上しゃっくりが止まらない時は、横隔膜に刺激を与える神経や横隔膜の運動を司る神経などに何らかの病気が潜んでいる可能性があります。
[横隔膜に刺激を与える病気]
- 肺炎や肺がん、胸膜炎、心不全による胸水の貯留など
- 尿毒症などによって血液中に溜まった老廃物が横隔膜を刺激するケースもある
[横隔膜の運動を司る神経の病気]
- 脳腫瘍や脳卒中など
- このような神経の病気によるしゃっくりは止まりにくい
- 次第に体力を消耗していくことも問題になる
おわりに:お酒によるしゃっくりは飲みすぎも一因。適度な飲酒を心がけよう
お酒の席では、しゃっくりが発生しやすい条件がそろっています。
また、お酒そのものにもしゃっくりを誘発する可能性があります。お酒は適量を心がけ、飲みすぎないよう注意しましょう。
(medicommi 2017年8月24日)