糖質制限ダイエットが隠れメタボの原因に!?2022.06.23
「炭水化物は太る」とはよく聞く話で、実際に炭水化物の摂取を減らす「糖質制限ダイエット」を実践している人もいます。
しかし、糖質制限ダイエットは、隠れメタボの原因になる可能性があるため注意が必要です。その理由について解説していきます。
糖質制限ダイエットでメタボを改善できるとは限らない
炭水化物は、人が消化・吸収できる「糖質」と、消化できない「食物繊維」の2種類に分けられます。この糖質の摂取量を制限する減量法が、「糖質制限ダイエット」と呼ばれるものです。具体的には、お米やパン、麺類、じゃがいもやさつまいもなどの芋類、甘いお菓子類といった糖質が主成分の食べもの・飲みものの摂取量を減らすダイエット法になります。
糖質制限ダイエットでは、早ければ1ヶ月で5kg減といった具合に、かなりのスピードで体重を減らすことができます。ただ、この糖質制限では実は脂肪は減っておらず、おもに「水」が減っているといわれています。
人間は、エネルギー源となる糖質が体内で不足したとき、代わりに筋肉、脂肪、グリコーゲンを分解することでブドウ糖に変換させ、新しいエネルギー源にします。このグリコーゲンと結合する水分こそが、糖質制限で減った体重の主要分と考えられているのです。
また、メタボリックシンドロームは「内臓脂肪症候群」と呼ばれるように、内臓脂肪の蓄積が問題になっているので、脂肪減少効果の少ない糖質制限ダイエットは、メタボの人にはむしろ適さない減量法ともいわれています。
糖質制限ダイエットが隠れメタボを招く!?
糖質制限ダイエットは、隠れメタボの原因にもなり得ます。「体内の糖質が不足すると、筋肉、脂肪、グリコーゲンを分解してエネルギー源とする」ということは先ほど述べた通りですが、糖質が著しく不足すると、筋肉が自身を分解してブドウ糖をつくるようになります。
つまり、過度な糖質制限でダイエットをしようとすると、脂肪が減らずに筋肉だけが減り、基礎代謝が低下して逆に太りやすい体質になっていきます。この状態が長く続くと、BMIは適正であっても、筋肉が少なく体脂肪率が高い「隠れメタボ」の状態になってしまいます。
糖質制限ダイエットでは、米やパンといった炭水化物の摂取を減らす代わりに、肉や魚などのタンパク質をメインで摂取しますが、「糖質制限中に摂取する食品」には、肉類などのように脂肪量が多い食品もあります。脂肪の過剰摂取は体脂肪率の上昇の原因になるため注意が必要です。
おわりに:過度の糖質制限は危険。食事制限だけでなく必ず運動も取り入れよう
過度の糖質制限ダイエットは体脂肪率の増加や動脈硬化を招き、心疾患の発症リスク上昇にもつながると指摘する専門家もいます。メタボの人にダイエットは大切ではありますが、極端な食事制限は健康リスクを上げてしまう可能性があることも理解しておきましょう。筋肉量を維持するためにも、適度な運動も取り入れるダイエットがおすすめです。
(medicommi 2018年11月12日)