夏の不眠の原因となるものは?快眠のために何ができる?2022.06.30
不眠は1年を通して起こる不調ではありますが、夏に決まって不眠になるという人もいます。そこで今回は、夏の不眠の原因や対策をご紹介します。
夏の不眠を引き起こす原因は?
夏に不眠となる原因としてまず考えられるのが自律神経の乱れです。自律神経には交感神経と副交感神経があり、それぞれがバランスを取りながら、呼吸や体温、心拍数など体のさまざまな働きをコントロールしています。
現代人はストレスが多いため交感神経が過剰に働きやすく、その影響で自律神経が乱れやすいといわれています。自律神経が乱れると、疲れが取れない、胃腸の調子が悪くなるなどの症状のほか、夜眠れなくなる「不眠」を引き起こすことがあります。夏に自律神経が乱れるおもな原因として、以下の3つが挙げられます。
紫外線が多い
夏は紫外線の量が年間を通して最も多い時期です。紫外線を浴びると、疲労のもとになる活性酸素が体内でつくられます。地面に反射した紫外線も体に届くため、日陰など直射日光が当たらない場所でも注意が必要です。意識していないところで紫外線を浴びている可能性があることも理解しておきましょう。
暑さ
汗が蒸発する際、体温を一定に保つために自律神経が働きます。夏は大量に汗をかくため、自律神経は常に働いているということです。夜寝ている間にたくさん汗をかくと自律神経は眠っている間も動き続けることになり、自律神経への負担が蓄積します。
体温調節の難しさ
夏は朝晩と日中に寒暖差があることも多く、朝の早い時間帯と日中の昼下がりでは気温が違います。
また、エアコンを使用している室内と屋外にも気温差があり、エアコンの風向きによっては室内であっても気温差が生じることがあります。冷たい空気は下に溜まるため、冷房の効いた場所にいるときに、足元の冷えに悩んだこともあるかもしれません。自律神経はこのような気温の変化に対応する必要があるため、気温差を感じやすい夏は自律神経が疲れやすく、バランスも乱れやすくなります。
自律神経が乱れやすい人の特徴は?
自律神経が乱れやすい人には、以下のような特徴がみられます。
- 肩こりがある
- ストレスを溜めやすい
- 乗り物に酔いやすい
- 性格が几帳面である
- 季節の変わり目に体調が悪くなりやすい
- 片頭痛持ちである
- 寒い時期に冷えやすく、暑い時期にのぼせやすい
- 飛行機や新幹線で耳が痛くなる
- 天気が悪くなる前に眠気やめまいを感じやすい
夏の不眠を解消するために気をつけることは?
夏は以下に注意し、自律神経への負担を減らしましょう。
就寝中にエアコンをつける
眠っている間に汗をかくと、就寝中も自律神経が休めません。夜寝ている間はエアコンで温度や湿度を調整し、快適に眠れる環境を整えましょう。タイマーにするとエアコンが停止した後に温度が上昇することもあるため、温度設定をして朝までつけっぱなしにしておくことをおすすめします。夜間に冷えやすい人は、エアコンの風が直接体にあたらないように風向き設定し、0.5~1℃ずつ高くしながら温度設定を上手く調整してください。
お風呂の温度はぬるめにする
熱いお湯につかると、自律神経が疲れやすくなるといわれています。しっかりと睡眠をとるためには、5~10分程度、38~40度くらいのお湯で体を温めるのがおすすめです。眠るときには手足を通して外へ熱が逃げることで深部体温が下がりますが、深部体温が下がるほど深い眠りにつきやすいと考えられています。ぬるめのお湯に浸かると深部体温が上がりやすいといわれています。一度上がった深部体温は眠りにつく頃までには適温に下がるため、より深い睡眠をとりやすくなります。
夏の不眠解消には「朝の過ごし方」も大切
自律神経を整えるためには、朝の過ごし方も大切になってきます。
朝ごはんを食べる
人には1日のリズムをつくる「体内時計」が備わっています。体内時計が適切に働くと、自律神経も整いやすくなります。体内時計はある程度決まった時間に朝食をとることで調整できるため1日のリズムが整いやすくなり、結果として夜間も眠りにつきやすくなります。
日光を浴びる
質の高い睡眠のためには、睡眠ホルモンである「メラトニン」が適切に分泌される必要があります。日光を浴びた14~16時間後に、セロトニンがメラトニンに変化するといわれていますので、起床後に日光を浴びてセロトニンを分泌させることが大切です。夜寝る前にカーテンを少し開けて寝る、起床後にカーテンを開けるなどして、朝に太陽の光を浴びられるように環境を整えましょう。
おわりに:夏の不眠を解消させるには自律神経を整える対策がおすすめ
夏の不眠は、暑さや体温調節の難しさから起こる「自律神経が乱れ」がおもな原因といわれています。ぬるめのお湯に浸かる、就寝中もエアコンを使う、朝ごはんをきちんと食べるなど、生活習慣や睡眠環境を整えながら対策をしていきましょう。
(medicommi 2019年8月6日)