【医療スタッフコラム】みなさんは何でも話せるお友達はいますか？～生殖医療相談士によるカウンセリングのススメ～2022.08.04

私は「生殖医療相談士」という仕事をしています。皆さんあまり聞いたことがないと思いますので、今回は不妊治療を支える「生殖医療相談士」についてご紹介したいと思います。

誰かと話すことで自分の気持ちを知る

友達とおしゃべり、楽しいですよね。あっという間に時間が経ってしまったりして。何でも気楽に安心しておしゃべりができる環境ってとても大切にしてほしいと思います。

お友達とわいわいおしゃべりして遊んだ翌日、「あれ、今日はすっきりしているなぁ」なんて、気持ちが軽くなっていたりしませんか？何でも話せる友人・知人が傍にいると良いのですが、そんなに何でも話せる人ってなかなかいなかったり。

私は胸を張って「何でもおしゃべりできる人がいるっ！」とは言えません。Aさんにはこのことは言いにくいな、とか。夫には言えない、とか。もしくは「いっぱい悪口言ってやるぅ」と気合を入れて友達を食事に誘ったけど実はその友達の方が深刻な相談を言い出して自分の悪口どころじゃなくなってしまったり、なんてこともありますね。

私達は「知る」ことで前に進んだり学習したりしています。「知らない」ことを「知る」（認める）ことで、調べたり分析したり、前に進む行動をとることができます。（認めるってとっても難しいことですが）これって勉強だけではないんです。

心も同じです。悲しい時もあります。悔しい時もあります。嬉しい時もありますね。その気持ちを「知る」（認める）ことによって心も前に進むのです。

生殖医療相談士とも話しをしてみよう

私は生殖医療相談士と言って、主に不妊治療の患者さんの相談を行っております。「これからどんな不妊治療になるのか不安」とか、「不妊治療のために仕事を休んだり早退するのに同僚に申し訳なくて、、、」とか。話してしまえばなんてことは無い、というか、特に言うほどのことでもないようなことでも、まずはしゃべってもらいます。

「夫と不妊治療に対する気持ちがすり合わない、、、」なんてことも自由に語ってもらいます。また、悲しい気持ちの時もあります。「不成功」が続いて涙が止まらない時もあります。話しにくい、言葉にならない気持ちも時間をかけてゆっくり伺っていきます。

「子供ができない」のはあなたのせいではありません。誰のせいでもありません。単純に、何かに失敗した（テストの漢字を間違えたとか）のであれば、次はその失敗をしないようにすれば良い（すぐにはできませんけれどｱｾｱｾ）わけで、子供を授かることに関してはどうしようもないことだと思います。

どうしようもないことって不妊治療だけでは無いですよね。皆さん1回以上は経験していると思います。どうしようもないこととも付き合っていかなければならないこと、たくさんあると思います。そんな時、お友達やカウンセラーに話しを聞いてもらうと「次」に向かうきっかけがつかめると思いますよ。

海外では、仕事帰りに「ちょっくらカウンセリング受けに行こうかな」なんて気楽に行ったりするそうです。日本も早くそんな日が来ると良いと思います。案外日本にもカウンセリングを行っているところがありますので、探してみてください。

そして、たまには、身近なお友達やお母さんお父さんの話しもぐぐぅっと聞いてあげてくださいね。

【参考情報】生殖医療相談士名簿

【URL】https://www.jsrp.org/course/consultcertifi.html