その夏風邪インフルエンザかも!?違いを見分けることはできる?2022.09.08
「インフルエンザは冬に流行するもの」というイメージが強いかもしれませんが、実は春や夏など暖かい季節になってからも、発症する可能性はあります。夏風邪と混同しないよう、インフルエンザと夏風邪の特徴を把握しておきましょう。
インフルエンザが春や夏に流行ってしまうのはなぜ?
インフルエンザウイルスには大きく分けてA型・B型・C型の3つの型があり、この型によって、症状や流行時期が異なります。
日本の場合、12月ごろからA型インフルエンザの流行が始まり、その後3月ごろまでにかけてB型・C型のインフルエンザも流行する傾向があります。気温が低く、乾燥してウイルスが活発化する冬に流行するイメージのあるインフルエンザですが、3月など春以降に感染・発症する人も珍しくありません。
インフルエンザが気温や季節を問わず発生する理由は詳しくわかっていませんが、近年では夏でもエアコンで低温・乾燥したインフルエンザウイルスが好む環境が整っていることも、夏にインフルエンザが流行する一因ではないかと考えられています。
夏に流行するインフルエンザの種類は、A型?B型?
夏に流行しやすいインフルエンザはA型よりもB型であることが多いとされ、B型はA型よりも高熱や咽頭痛・咳などの呼吸器症状などが起こりにくく、37度台の微熱や下痢・嘔吐などの消化器症状が見られやすい傾向があります。
このため、夏にインフルエンザにかかってもインフルエンザとは気づかれにくく、学校や職場などで十分な感染対策が行われずに感染が広まってしまうことがあるので注意が必要です。
ただの夏風邪とインフルエンザは、症状にどんな違いがある?
夏に流行するインフルエンザには以下のように、夏風邪とは異なる症状が見られます。当てはまる項目が多い場合はインフルエンザの可能性も考え、なるべく早めに病院を受診するようにしましょう。
- 熱は高くないものの倦怠感が非常に強い
- 関節痛や筋肉痛がある
- 2、3日経っても発熱などの症状が改善しない
- 周囲で同じような症状の人がいる
インフルエンザを放置するとどんなリスクがある?
夏風邪と勘違いしてインフルエンザを放置すると、家族や職場、学校などで周囲の人に感染を拡げてしまう危険があります。
夏に流行しやすいインフルエンザB型は症状も軽度なことが多く、健常な成人であれば重症化することはまずありませんが、乳幼児や高齢者に感染すると下痢や嘔吐などによって脱水症状になりやすく入院が必要になるケースも少なくありません。
思い当たる症状があるときは早めに病院を受診して検査を受け、適切な治療と感染対策を行いましょう。
夏の感染症を防ぐ方法とは?
感染症を防ぐために、夏でも以下のことに注意しましょう。
手洗い・うがい
手洗いとうがいは、すべての感染症予防の基本です。
手洗いとうがいをこまめに行うだけでも感染のリスクは違ってきます。
夏バテ対策
冷たい飲み物・食べ物の摂りすぎやエアコンの効かせすぎで体が冷えると、胃腸の不調や全身の倦怠感、食欲不振など夏バテの状態に陥り、免疫力が下がりウイルスに感染しやすくなります。
こまめな水分補給とバランスの良い栄養摂取、十分な休養をとって、インフルエンザや風邪のウイルスに負けない身体づくりを意識しましょう。
人混みを避け、乾燥に注意する
人との接触機会が増えると、いろいろなウイルスと接する機会も多くなります。
また、のどが乾燥していると免疫力も低下しやすくなるので、人混みに行くときはマスクを着用して、感染予防とのどの保湿を徹底しましょう。
おわりに:夏の風邪症状には、インフルエンザなど他の病気が隠れている可能性がある
冬のみ流行するイメージのあるインフルエンザですが、夏に感染・発症する例も国内外で多く報告されています。夏風邪だと思っていた症状が、実はインフルエンザである可能性は十分にあります。
インフルエンザであった場合、放置することで重症化して合併症を起こすこともあるので、ただの夏風邪と侮らず、必ず病院に行って医師による診断・治療を受けるようにしてください。
(medicommi 2019年5月21日)