貧血の改善に役立つ食事と倒れそうになったときの対処法2023.08.17
外出先で貧血の症状に襲われたら
体を安静な状態にする
外出先で突然めまいや立ちくらみに襲われたら、転倒しないよう、まずは近くに座りましょう。
水分や糖分を補給する
吐き気がない場合は水分を補給します。低血糖症状がみられる場合は、飲み物や飴などで糖分を補給しましょう。
また、普段から貧血気味の人が転倒しそうになった場合は、貧血が重症化している可能性があります。すぐに病院を受診してください。
普段から貧血気味の人は、水分補給をこまめに行ったり、着圧式(ひざ下を圧迫するタイプの)ストッキングや靴下を活用したりするなどして、血圧の急激な低下を予防するとよいでしょう。
また、貧血以外の原因で立ちくらみが生じたときは、過労や寝不足などで心身に負担がかかっている可能性があります。日ごろから規則正しい生活を心がけてください。
転倒を防ぐための注意点
以下のような症状がみられるとき、転倒する恐れがあります。
・目の前が白くなる、暗くなる、ゆがんで見える
・吐き気
・体の震え
・呼吸困難(呼吸がしづらい、深く呼吸ができない)
このような場合、以下のような応急処置をとってください。
1.近くにある椅子に座る、または横になって安静にする。
2.ベッドや床に体を寝かせたら、ベルトなどの体を締め付けている部分を緩める。また、血流を良くするため心臓より高い位置に足を固定する(丸めた布団を膝下から足首のあたりに入れる、など)。
3.貧血の酸欠状態が治まるまで、以上の状態を保持する。
貧血は食事で改善する?
原因や程度にもよりますが、貧血は食事を見直すことで改善することがあります。以下の栄養や食べ物を積極的に摂るように心がけましょう。
●鉄分
鉄分は全身に酸素を送り届ける働きがある、ヘモグロビン(血色素)の構成要素です。貧血のときは、鉄分不足によって体が酸欠状態になっています。
鉄を多く含む食品
・肉
・レバー※
・魚の赤身(カツオ、ブリなど)
・貝(シジミ、アサリなど)
・ひじき
・緑黄色野菜(小松菜、ほうれん草、大根の葉、水菜、春菊など)
※レバーにはビタミンAが多く含まれているため、食べすぎによるビタミンA過剰症に必要しましょう。
●タンパク質
タンパク質もヘモグロビン(血色素)の構成要素で、全身に酸素を送り届ける働きがあります。
タンパク質を多く含む食品
・肉
・魚
・大豆、大豆製品(納豆、豆腐、おからなど)
・牛乳、乳製品(ヨーグルト、チーズなど)
●ビタミンC
ビタミンCは鉄分の吸収率を高める作用があるので、鉄分と一緒に摂取すると効果的です。
ビタミンCを多く含む食品
・果物(かき、キウイ、いちごなど)
・緑黄色野菜(ブロッコリー、ピーマン、カブ・大根の葉など)
・いも(じゃがいも、さつまいも)
貧血改善におすすめのレシピ
貧血改善には、食事から鉄分やビタミン、タンパク質などを積極的に摂取することも大切です。ここでは、貧血改善によいおすすめレシピを3つご紹介します。
●ひじきサラダ
ひじきには豊富な鉄分が含まれています。カロリーも低く、ミネラルやビタミンも豊富なため、カロリーを気にせず貧血改善を図ることができます。乾燥ひじきは水で戻して柔らかくします。磯臭さが気になる人は、熱湯を回しかけると臭いを軽減することができます。人参やインゲンなどのお好みの野菜を細かく刻んで良く茹で、戻したひじき・野菜・ツナ缶を混ぜ合わせ、マヨネーズや塩コショウ、しょう油などで味を整えて完成です。
●レバーと小松菜の中華炒め
レバーや小松菜には多くの鉄分が含まれています。中華炒めにすることで、満足感のあるメインメニューになります。鶏レバーは、5~10分ほど水に浸けてしっかり血抜きし、すりおろし生姜・すりおろしにんにくと酒に浸けておきます。下処理したレバーと小松菜を一口大に切り、油を熱したフライパンで小松菜をよく炒め、レバーとニンニクのみじん切りを投入。よく火が通ったら、中華スープの素、塩コショウ、しょう油、砂糖などでお好みに味付けして完成です。
●プルーンスムージー
プルーンは鉄分の宝庫と言われる果物です。鉄分以外にも、葉酸やビタミンB6など赤血球を作るのに必要な栄養素が多く含まれているため、貧血対策に非常に有用とされています。そんなプルーンをスムージーにすることで、デザート感覚で貧血対策を楽しみましょう。ドライプルーン、バナナ、キウイなどお好みの果物をカットし、ヨーグルト、牛乳、砂糖と共にミキサーにかけて撹拌すれば完成です。
おわりに:貧血は、倒れる前の「事前の対策」が大切。普段からきちんとケアしておこう
・貧血により外出先で気分が悪くなったときは、体を安静にして水分・糖分補給を行う
・吐き気や呼吸しづらいといった症状がある場合は、座るか横になるかして、足を心臓より高い位置に置く
ただし、急に立ちくらみが起こったときは対処が難しいです。ひどい貧血症状が起こらないよう、食事を工夫するなどして普段から貧血で倒れないように気をつけましょう。
(medicommi 2018年6月13日)