気圧の変化による頭痛と飛行機頭痛について2024.07.04
天気が悪い日や台風が近づいている日など、気圧が低くなると頭痛が起こるという人もいると思います。また、飛行機に乗っているときの気圧の変化で頭痛が起こることに悩んでいる人もいるのではないでしょうか。この記事では、気圧の変化による頭痛と飛行機頭痛の原因と対処法について解説していきます。
気圧の変化で頭痛が起こる原因
気圧の変化の中でも、頭痛が起こりやすいのは気圧が低下する「低気圧」のときで、その頭痛の多くは脳の血管が拡張するために起こる片頭痛といわれています。気圧が低くなると頭痛が起こるのは、気圧の低下によって空気中の酸素濃度が低くなり、以下の流れで頭痛が引き起こされることがおもな原因と考えられています。
酸素濃度の低下で頭痛が起きる流れ
- 血液中の酸素の量が少なくなる
- 酸素量の変化を感じた脳がいつもより多くの血液量を運ぼうとして、脳の血管が拡張しやすくなる
- 拡張した血管が周囲の神経を圧迫して頭痛が生じる
気圧の低下による頭痛の対処法
気圧の低下を防ぐことはできないため、気圧の低下による頭痛を完全に予防することはできません。しかし、以下の点に気をつけることで、頭痛が和らぐ可能性があります。
血糖値が下がらないようにする
空腹になると血糖値が下がって片頭痛が起こりやすくなるといわれています。1日3回きちんと食事を摂り、血糖値が極端に低くならないように気をつけましょう。気圧が低いときには湿気が高いことも多く、このようなジメジメした環境では食欲が出ないという人もいると思います。食欲が出ないときは、キャラメルやハチミツ入り牛乳などで少量の糖分を補給しましょう。ただし、糖分の摂り過ぎには注意してください。
エアコンの使い方を工夫する
蒸し蒸しした日や暑い日は、熱中症予防のためにもエアコンを使いたいところですが、エアコンによる冷えが頭痛の原因になる可能性があります。「部屋が冷え過ぎないよう、エアコンの設定温度を調節する」「エアコンの直風が当たらないようにする」「除湿機能を使う」など、使い方を工夫しましょう。また、エアコンによる冷えは、首のコリや肩コリによる緊張型頭痛を引き起こす可能性があります。
片頭痛の対処法が役立つ場合がある
上の項目でも説明したように、気圧が低下すると片頭痛が起こりやすくなるといわれています。以下で紹介する一般的な片頭痛の対処法が緩和に役立つ場合があります。
- ズキズキと痛む箇所を冷たいタオルや保冷剤などで冷やす
- 暗くて静かな場所で安静にする
また、片頭痛時は光や音が発症や悪化のきっかけになる場合があるので、暗く静かな場所で安静にして過ごすようにしましょう。
飛行機に乗ったときに起こる頭痛について
飛行機頭痛は飛行機に搭乗しているときに起こる頭痛で、飛行機の上昇・下降に伴う機内の気圧の変化が関係しており、下降しているときに現れやすいといわれています。飛行機頭痛の原因については明確にわかっていないこともありますが、副鼻腔が関係していると考えられています。
副鼻腔は鼻腔に隣接した骨の中にある空洞で、前頭洞、篩骨洞(しこつどう)、上顎洞、蝶形骨洞の4つがあります。飛行機が離陸すると次第に機内の気圧が下がり始め、上空にいる間は機内も副鼻腔内も気圧が低い状態になっています。そして、飛行機が着陸に向けて下降するとともに機内の気圧は上昇します。
このとき、通常は外気の変化に応じて副鼻腔内の気圧も上昇しますが、鼻炎や副鼻腔炎などがある場合は気圧の上昇がスムーズに行なわれません。そのため、気圧の低い状態の副鼻腔に空気が急に入りこみ、その部分の感覚神経が刺激されて激しい痛みを発するのではないかと考えられます。飛行機頭痛は、以下の方法で緩和できる場合があります。
- 搭乗中に唾液を飲みこむ
- あくびをして耳の通りを良くする
- 耳抜きをする
気圧による頭痛で病院に行った方がいいものはある?
気圧による頭痛の多くは、一時的なものといわれています。しかし、以下に当てはまる場合は、治療が必要な頭痛である可能性があります。早めに医師に相談しましょう。また、気圧の変化が起こる度に頭痛が起こり仕事や日常生活に支障が出るような場合も、一度医師に相談することをおすすめします。
- 吐き気や嘔吐を伴う
- めまいや耳鳴りがする
- 起きていられないほどの非常に強い痛みがある
- 手足が動かしにくくなったり、しびれが生じたりする
- 頭痛とともに目が見えにくくなったり、話しにくくなったりする
おわりに:どんな頭痛でも症状が重いときは早めに医師に相談しよう
気圧の変化による頭痛は一時的な頭痛である場合が多く、セルフケアで解消できる場合もあります。しかし、どのような頭痛でも、仕事や日常生活に支障が出るほど症状が重い場合や頻繁に起こる場合は、早めに病院を受診し医師に相談しましょう。また、自分では「気圧の変化の影響」と思っていても、別の病気が原因で起こっている可能性があります。慢性的な頭痛やがまんできないほどの頭痛がある場合は、どのような頭痛であっても一度病院で診てもらうことをおすすめします。
(medicommi 2024/6/12)