【産婦人科医コラム】月経不順(生理不順)は更年期はじまりのサイン?2024.08.05
「2~3か月に一度しか月経(生理)がこない」「最近量が少なくなった」「最近周期が乱れてしょっちゅう月経が来る」などの体調の変化があったら、更年期が近づいてきたサインかもしれません。
更年期は、女性の生涯において身体と心の変化が起こる重要な時期ですが、その変化の一つに月経の変化があります。
更年期の始まりの時期は人それぞれ。月経の変化以外にも異なる症状がでるかもしれません
更年期障害の主な症状⇒こちらをチェック
月経の変化はあなた自身でもわかりやすい、更年期が近づいてきたサインの一つです。
サインに気が付いた時には婦人科に相談するにしましょう。
月経不順(生理不順)は更年期はじまりのサイン? 知っておくことでその後のケアに備えよう
更年期における月経の変化は、主に卵巣機能の低下とそれに伴うホルモンバランスの変動によるものです。エストロゲンとプロゲステロンのレベルが低下することで、子宮内膜の発達や排卵の周期が不規則になります。
実は、LiLuLaの「教えてDr」では40代や50代のユーザーからの月経の変化に関するご質問が多く寄せられます。皆さん不安に感じているんですね。
その中でも出血量が増えたという方が多くいらっしゃいます。
他にも月経の変化には、こんな声が多くありました。
- 月経周期が短かったり長かったりする
- 出血量が非常に少ないときがある
- あっというまに月経が終わる
- 出血量が多くてナプキンが持たない
など様々です。
すでに更年期の症状が出ている場合には、婦人科を受診して、ホルモン値のチェックをしてもらいましょう。更年期の診断なら、女性ホルモン補充療法(HRT)や漢方療法などで症状が劇的に改善します。
出血量が多い場合は、もしかすると子宮筋腫や子宮内膜ポリープが関係しているかもしれません。
なかには子宮頸がん、子宮体がんが見つかることもあります。
今までの月経に変化があった場合には、婦人科を受診して確認してもらうことが大切です。
閉経のパターンにも個人差はあります。
40歳過ぎから周期が少し短くなり、その後だんだん周期が伸びてきて閉経するといったパターンが一般的です。
しかし中には順調に月経がきていたのに、ある日突然止まり閉経する人もいます。
【先生からのメッセージ】
40代-50代の方で今までの月経と違う、何か変化があった場合には、そのまま放置せず、一度婦人科を受診してみましょう。
月経は健康のバロメーターです。毎月の月経周期をきちんと記録して、体調の変化があったら専門家に相談しましょう。
甲村弘子
医療法人フラウエンこうむら女性クリニック
女性へのメッセージ
女性ホルモンの異常からくる月経不順や、不妊症、更年期障害など内分泌に関わる疾患を専門としています。これまで大学病院、総合病院で長年にわたり産婦人科診療に従事した経験を踏まえて、女性の悩みに幅広く対応いたします。来院される患者様のからだの症状ばかりでなく、心の悩みにも耳を傾けて十分にお話を伺います。そのうえで適切な対応をともに考えるような医療を行っていきます。一生を通じた「女性の健康の担い手」として、気軽に相談できる産婦人科診療を行うことがモットーです。