ビタミン欠乏症の症状と予防対策2024.09.26
ビタミン欠乏症はビタミン不足が原因で起こり、不足するビタミンによって症状が違ってきます。この記事では、ビタミン欠乏症の原因と症状、予防対策について、食事のバランスの整え方のポイントもあわせて解説します。
ビタミン欠乏症とは
ビタミンは体内では作ることがほとんどできないため、食事などを通して摂取する必要があります。ビタミン欠乏症とは、ビタミンを含む食品の摂取不足や、吸収障害、必要量の増加などでビタミンが不足してしまう状態です。
ビタミン欠乏症の症状
ビタミン欠乏症は、以下のように不足しているビタミンにより症状が異なります。
- ビタミンA:夜盲症、皮膚乾燥、抵抗力の低下、成長障害など
- ビタミンD:骨や歯の成長障害、骨粗鬆症、骨軟化症
- ビタミンE:溶血性貧血、神経障害
- ビタミンK:乳児の出血症、血液凝固遅延などが起こりやすくなる
- ビタミンB1:脚気やウェルニッケ脳症
- ビタミンB2:成長障害や口唇炎、舌炎
- ナイアシン:ペラグラ
- ビタミンB6:皮膚炎、神経障害、成長停止、体重減少、けいれん
- ビタミンB12:悪性貧血、末梢神経障害
- 葉酸:悪性貧血(妊娠中の欠乏で出生児に神経管閉鎖障害)
- パントテン酸:成長停止、皮膚や毛髪の障害、末梢神経障害
- ビオチン:皮膚炎、脱毛、けいれん
- ビタミンC:皮下出血、歯肉からの出血、壊血病
ビタミン欠乏症の予防のために気をつけること
ビタミンが不足しないようにするためには、まず適切な量の食事を摂る・バランスの整った食事を摂る・規則正しく摂ることが大切です。食事の献立を考えるうえでは、エネルギーになるもの・体をつくるもの・体の調子を整えるものの3要素をバランスよく取り入れることを心がけましょう。
ビタミンが豊富な食材を副菜に取り入れ、ビタミンを効率よく摂取できるように調理にも気を配るようにすると、ビタミンが不足しにくくなります。飽きが来ないように歯ごたえ・盛り付けを工夫すると毎日の食事も楽しみになりますし、食事管理を続けやすくなります。また、妊婦・授乳婦・乳幼児・成長期の子ども・成人・更年期・高齢者など、ライフステージによって必要な栄養素・食事量は少しずつ変わってきます。それぞれのライフステージに合う献立を考えるようにしましょう。
バランスの整った食事を考えるコツ
バランスの整った食事とは、特定の栄養素・食品に偏らず、まんべんなく十分な栄養素が摂れる食事のことです。献立を考えるときに以下を心がけると、バランスを整えやすくなります。
- 野菜・肉類・魚類・穀類・豆類をバランスよく摂る
- 1日30品目を目標にし、特定の食材ばかり摂らないように注意する
- 麺類・丼物などは1日1食までを目安とする
- デザートには果物を使うようにする
- 品数を増やせるように、常備菜などを利用する
おわりに:バランスの整った食事・ライフステージに合う食事を摂るようにすることが大切
ビタミン欠乏症は、不足するビタミンによって症状が異なります。症状が出ているときには、特定のビタミンの摂取が必要になりますが、まずはそれぞれのビタミンが不足しないように、バランスのよい食事を摂ることを心がけましょう。また、ビタミン類をはじめ、必要な栄養素はライフステージによって変わってきます。医師・栄養士などの専門家に相談しながら、ライフステージに合う食事を摂るようにしてください。
(medicommi 2024/8/7)