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慢性膵炎の症状と原因、予防対策について2025.01.30

慢性膵炎の症状と原因、予防対策について

慢性膵炎とは、膵臓の炎症が長期化することで線維化が起こる疾患です。膵臓には消化酵素を分泌する働きがあり、慢性膵炎を発症すると元の健康な状態の膵臓に回復することは難しく、膵臓の機能低下に伴いさまざまな合併症が起きる可能性があります。この記事では、慢性膵炎の症状と原因、予防対策について解説していきます。

慢性膵炎の症状について

慢性膵炎とは、膵臓の外分泌腺細胞の炎症が長期間持続することにより、膵臓の正常な細胞が壊れ、膵臓が線維組織に置き換わる(膵臓が線維化する)疾患です。発症すると膵臓が硬くなり、本来の機能が衰えていきます。一般的に、40~50歳代で発症することが多く、おもに以下の症状が現れます。

  • みぞおち・背部の痛み:慢性膵炎の初期症状であり、膵液の通り道である膵管が細くなる・膵管の中に膵石ができるなどで膵液の流れが悪くなり痛みが発生する
  • 食欲低下
  • 倦怠感
  • 下痢:膵臓の外分泌細胞が障害されることで消化酵素の分泌量が低下し、消化吸収不良が生じることで起こる。便は悪臭を伴い、薄黄色クリーム状で水に浮く脂肪便となる
  • 体重減少:消化機能が衰えることで消化吸収障害が起こり、体重が減少する
  • 糖尿病:膵臓の機能が失われることでインスリン分泌に障害が起こり、血糖調整に不具合が生じる

なお、初期には急性膵炎のような激しい腹痛を数か月ごとに繰り返すことが多いといわれていますが、7~8年くらい経過すると膵臓の機能が完全に衰退して炎症が軽くなっていき、腹痛が徐々に軽く鈍い痛みに変わっていきます。

慢性膵炎の原因

慢性膵炎の原因は、男性では飲酒が最も多く、原因の約3分の2を占めているといわれていますが、飲酒だけではなく体質や環境的な因子も関係していると考えられます。女性では原因不明の特発性が多くみられ、原因の半分を占めているといわれています。その他、胆石・高カルシウム血症(副甲状腺機能亢進によるもの)が原因になったり、原因不明で発症したりすることもあります。また、極めてまれではありますが、消化酵素の遺伝子異常により発症することもあります。

慢性膵炎の予防対策

慢性膵炎のおもな原因は飲酒のため、飲酒習慣を見直すことである程度予防できる可能性があります。まずは必要に応じて医師と相談しながら、飲酒量と飲酒のペースを見直すようにしてください。なお、喫煙も慢性膵炎のリスクを高めるため、喫煙習慣がある人は禁煙に取り組むことをおすすめします。

また、脂肪分の多い食生活は膵臓に負担がかかるため、膵炎のリスクを高めます。揚げ物・炒め物・ケーキなどの食品を控え、できるだけ低脂肪食中心の生活になるよう心がけましょう。食後に腹部の痛みを感じる人はとくに注意が必要といわれているので、早めに医療機関を受診し、食生活の見直しに取り組むようにしてください。なお、糖尿病などの持病で治療を受けている人は、必ず主治医と相談したうえで食生活の見直しを行いましょう。

おわりに:飲酒習慣をはじめ、食生活・生活習慣を見直すことが予防につながる

慢性膵炎を発症すると、腹部の痛み・体重減少・食欲低下などの症状が現れ、膵臓の機能が著しく低下するまで進行すると糖尿病を合併する可能性もあります。慢性膵炎は飲酒がおもな原因であり、喫煙・脂肪分の多い食生活などが原因になることもあります。飲酒習慣・喫煙習慣・食生活を見直し、健康的な生活を心がけることが予防につながります。また、定期的に健康診断・人間ドックを受けて健康状態をチェックすることも大切です。

(medicommi 2024/12/19)

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