上がる結婚年齢と不妊治療の関係不妊治療が年々増加する理由とは
体外受精をはじめとする不妊治療を受ける人は年々増えています。
その大きな理由の一つは、結婚する年齢や妊娠・出産を希望する年齢が上がっていることです。
2020年に厚生労働省が行った調査によると、平均初婚年齢は男性で31.1歳、女性で29.4歳と示されています。
第1子出産時の女性の平均年齢は30.7歳で、40年前に比べて5.0歳上昇していることが明らかとなっています。
男性の平均年齢は平成に入ってから一旦横ばいとなりましたが、近年再び上がっており、2020年は32.8歳となっています。
結婚年齢の上昇と出産
結婚年齢の上昇などに伴って、高年齢での出産が増えています。
1975年には35歳以上の母親から生まれた赤ちゃんは約7万人で、全出産に占める割合は4%程度でした。
これが2020年になると35歳以上の母親から生まれた赤ちゃんは24.5万人と40年前の3.5倍になり、全出産に占める割合も29.2%に上っています。
高年齢での出産
高齢での妊娠・出産には、妊娠高血圧症候群をはじめとする合併症などのリスクが高まるだけでなく、妊娠に至る確率も低くなることが医学的に明らかになっています。
そのため、なるべく若い年齢で、必要な治療を受けるようにすることが重要です。
また、不妊治療を受ける場合は、長期間になることも少なくないため、本人とその家族は身体的・精神的、そして経済的負担があるということを念頭に置く必要があります。
POINT
- 結婚する年齢や妊娠・出産する年齢の上昇が、不妊治療を受ける人が年々増えている大きな理由のひとつです。
- 高齢では妊娠に至る確率が低くなることが医学的に明らかになっており、また妊娠した場合でも合併症などのリスクが高まります。
- 不妊治療を受ける場合は、長期間になることも少なくないため、身体的・精神的、そして経済的負担への配慮が必要になります。