妊娠の仕組みと不妊症になる原因不妊の原因、女性の場合
妊娠までの過程のどこかに障害があると、不妊症になりやすくなります。
不妊の女性側の原因は、排卵因子、卵管因子、子宮因子、頸管因子、免疫因子の5つに大別して考えられます。
不妊の原因(女性の場合)
排卵因子(多のう胞性卵巣症候群、高プロラクチン血症、早発卵巣不全など)
排卵が不規則、または無排卵、卵子が育たないなどの排卵障害が起きると妊娠は難しくなります。排卵がなくても生理は起こる場合があるので、各種検査によって排卵障害かどうかを知ることが大切です。
卵管因子(細菌感染、子宮内膜症による卵管・卵巣の癒着など)
卵管がつまったり細くなったりしていると、精子や卵子、受精卵がうまく運ばれなくなります。
子宮因子(子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮内膜症など)
子宮のトラブルにより、受精卵の着床が起こりにくくなったり、着床してもうまく育たなくなったりする場合があります。
頸管因子
精子を通過しやすくさせる頸管粘液の分泌量が少ないと、子宮への精子の通過がさまたげられる場合があります。
免疫因子
精子を攻撃する抗体(抗精子抗体)をもっていると、子宮頸管や卵管の中で精子の働きが止まり卵子に到達できないため、妊娠に至りません。
妊娠のメカニズムは複雑なため、上記の因子には分類されない原因不明の不妊症が多いのも事実です。
生理の間隔が極端に長い、短い、経血の量が多い・少ないといった異常がみられる女性は排卵していない可能性も考えられます。
また、性感染症や骨盤腹膜炎などを起こしたことがある女性、婦人科検診などで子宮筋腫や子宮内膜症を指摘されたことのある女性などは不妊症のリスクが高いといわれています。
さまざまな可能性、リスクが考えられますので、妊娠を望むのであればしっかりと検査や治療を受けておくことが大切です。
POINT
- 女性側の不妊症の原因は、排卵因子、卵管因子、子宮因子、頸管因子、免疫因子の5つに大別して考えられます。
- 妊娠のメカニズムは複雑なため、原因不明の不妊症が多いのも事実です。
- 子宮筋腫や子宮内膜症を指摘されたことのある女性は不妊症のリスクが高いため、妊娠を望む場合はしっかりと検査や治療を受けておくことが大切です。