「性感染症(STI)」を防ぐために性感染症(STI)の種類と症状
性感染症の症状は、原因となる病原体によって異なりますが、これといった自覚症状がないのが特徴です。
体の変調を感じた場合は、すぐに検査を受けることが大切です。
できることならパートナーにも伝えて一緒に検査を受けましょう。
主な性感染症の種類と症状
クラミジア感染症
性感染症の中でも、男女ともに多い病気で、自覚症状が少ないことが特徴です。
放置すると不妊症や子宮外妊娠の原因となるおそれがあります。
性行為によって感染しますが、近年では性行為の多様化に伴い、のどなどに感染する人も増えています。
また、クラミジアに感染したまま妊娠すると、流産や新生児の結膜炎や肺炎につながる可能性が高くなります。抗生物質を服用して治療します。
淋菌感染症
淋菌感染症は、世界的にもクラミジア感染症に並んで患者数の多い性感染症で、日本では男性に多くみられます。
女性では感染しても無症状の人が多いですが、おりものの増加や不正出血があらわれることもあります。
性行為によって感染しますが、近年では性行為の多様化に伴い、のどなどに感染する人も増えています。
子宮外妊娠や不妊症の原因となるおそれがある他、新生児に感染すると最悪の場合失明する場合もあります。
性器ヘルペス感染症
2~10日の潜伏期間を経て、発熱や倦怠感があらわれます。
外陰部に米粒大のみずぶくれやただれがたくさんでき、進行すると下着にふれたり歩いたりするだけでも強い痛みを感じるようになります。
一度感染すると、ストレスや風邪などで抵抗力が落ちたときに再発することがあります。
感染したまま妊娠すると産道で新生児に感染するおそれもあります。
腟トリコモナス症
男性の尿道に潜んでいたトリコモナス原虫が、性交などによって女性の腟内に排出される、もしくは女性の子宮頸管付近にいたトリコモナス原虫が男性の尿道などに移動して感染する病気です。
黄色や緑っぽいおりものや、泡状のにおいのつよいおりものが特徴で、かゆみや痛みを伴うこともあります。
尖圭コンジローマ
ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によるもので、潜伏期間は1~8ヵ月に及ぶこともあります。
性器から肛門にかけて先が尖ったイボができ、どんどん増えていきます。
痛みやかゆみはないことが多いですが、再発する可能性が高い感染症のため複数の治療法を繰り返さなければならないことがあります。
HIV感染症/後天性免疫不全症候群
(AIDS:エイズ)
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染によるもので、初めて感染してから2~6週間後に、発熱、のどの痛み、筋肉痛といったインフルエンザに似た症状を起こすことが多いのですが、数週間でそれらの症状は無くなり、無症候期(感染は持続しているが症状の無い期間)に移行します。
その後数年から十数年が経ってからエイズを発病しますが、この期間の長さは個人差が非常に大きいです。
発病すると発熱や下痢、体重減少などの症状があらわれる他、免疫力の低下によって健康体ではほとんど害のない細菌やウイルスに感染することもあります。
まずは医療機関で検査を
これといった症状が出ないことが多いのが性感染症の特徴です。
心配だと感じたらまずは医療機関で検査を受けましょう。
性行為があった後、おりものの量や色、におい、不正出血、外陰部のかゆみや痛み、イボ、排尿時の痛みなどがあった場合には、すぐに医療機関で検査を受けるようにしましょう。
POINT
- これといった症状がでないことが多いのが性感染症の特徴です。
- 性感染症の検査はできればパートナーと一緒に受けましょう。