生理前・生理中の不調、どうすればいい?月経困難症を治療する方法
薬による治療
月経困難症の治療に用いられる主な薬は以下の通りです。
鎮痛剤
生理痛の原因となるプロスタグランジンの合成を妨げ、痛みを和らげます。
低用量ピル、LEP製剤
低用量ピルは、2種類の女性ホルモン「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」が含まれた薬で、日本では、月経困難症の治療薬として保険適応を受けたものを「LEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン)製剤」と呼びます。子宮内膜の増殖を抑えて月経の量を減らし、生理痛を和らげる効果があります。また、排卵を抑えてホルモンの急激な変動を抑えるので、PMSの治療にも効果的です。
偽閉経療法
女性ホルモンであるエストロゲンの量を少なくし、閉経後のような状態にして生理を止めます。エストロゲンにより進行する「子宮内膜症」や「子宮筋腫」の治療に効果的ですが、閉経状態にすることで起こる副作用があるので、6カ月以上の継続はできません。
漢方薬
生理痛、冷え性、イライラ、貧血など、生理にまつわる体調不良に対し、その人の体質にあわせた処方を行います。
手術による治療
子宮内膜症や子宮筋腫などの器質性月経困難症は、手術による治療が必要となる場合があります。
腹腔鏡下手術
下腹に1cmほどの穴を数か所開け、そこに腹腔鏡(先端にカメラのついた細長い管状の内視鏡)を入れて、おなかの中の映像をテレビモニターで見ながら行う手術です。
開腹手術(温存手術)
開腹により子宮や卵巣などの臓器は残し、病気の部分だけを取り除く手術です。生理があり妊娠もできますが、再発する可能性もあります。
開腹手術(根治手術)
開腹により原因となる子宮や卵巣などの臓器をすべて取り除く手術です。生理がなくなり妊娠できなくなるので、妊娠希望のない40代以上の年代の方に行うことが多いです。
子宮筋腫・子宮腺筋症の再発は心配ありませんが、骨盤内に発生する子宮内膜症は再発する可能性が0ではないので、術後も定期的な診察を受けましょう。
手術方法は、病気の状態、年齢、手術後に妊娠を希望するかどうかなど、様々な条件によって決められます。
手術の前に医師と十分に話し合い、自分のライフスタイルにあわせて、納得したうえで手術を受けることが望ましいでしょう。
POINT
- 月経困難症の治療には鎮痛薬や低用量ピルなどを内服します。
- 器質性月経困難症では、手術による治療が必要となる場合があります。