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骨盤内炎症性疾患(PID)

概要

骨盤内炎症性疾患とは、子宮や卵管(受精卵が通る管)といった子宮頸管(子宮の入り口)より上に位置する生殖器の感染症の総称で、英語の頭文字からPIDとも呼ばれています。PIDは不妊症や子宮外妊娠など深刻な状況を引き起こすことがあるため、早期診断・治療が大切です。

原因

性感染症を引き起こす菌や大腸菌などの一般細菌が性器などに感染し、子宮や卵管などにまで感染が広がることで発症することが多いです。また、原因となる菌は複数存在することが多いです。

症状

症状は、原因となる細菌によって異なりますが、主に下腹部痛、下腹部を圧迫すると痛みが生じます。その他、38℃以上の発熱などがみられることもあります。

治療

治療には、主に抗菌薬の内服薬が用いられます。下腹部の痛みが強い場合などには抗菌薬の注射剤が用いられることもあります。注射剤による治療は入院が必要になることが多いですが、入院が難しい場合は通院して1日1~2回の注射剤による治療を受けることもできます。また、抗菌薬の内服薬で効果がみられない場合も入院による治療が行われます。さらに、再感染を防ぐために、治療が終了するまで性行為は控え、PIDが発症する前の2ヵ月以内に性行為をしたパートナーも検査と治療を行う必要があります。

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