月経前症候群(PMS)
概要
月経前症候群とは、月経前にみられる精神症状や身体症状で、英語の頭文字からPMSとも呼ばれます。強い精神症状が主に現れる場合は、月経前不快気分障害(PMDD)と呼ばれ、PMSの重症型と考えられています。PMS、PMDDはいずれも幅広い年齢層で発症します。
原因
原因は明らかではありませんが、セロトニンなどの神経伝達物質や黄体ホルモン(プロゲステロン)が関与していると考えられています。
症状
精神症状としてイライラ、落ち着きがない、憂うつ、引きこもりがち、不安、混乱、身体症状としてのぼせ、下腹部膨満感(ぼうまんかん)、下腹部痛、腰痛、頭重感、頭痛、乳房痛、むくみ、関節痛、筋肉痛、体重増加などがみられます。症状は月経前の3~10日間続き、月経開始とともに消失または軽くなります。
治療
非薬物療法
生活習慣の改善として、規則正しい睡眠、定期的な運動、カルシウムやマグネシウムをとること、アルコールやカフェインを控えることなどが指導されることがあります。また、自分自身で症状を把握することで、病気がよくなる可能性があることから、症状日記(いつ、どんなときに、どんな症状があったか、など)をつけるよう指導されることもあります。
薬物療法
症状が軽い場合は、それぞれの症状を改善する薬(イライラ・不安には精神安定剤、痛みには鎮痛薬、むくみには利尿薬など)を内服したり、ホルモン剤を内服することがあります。また、漢方薬を内服することもあります。一部の抗うつ薬を症状の出る期間に内服することも有効であるとされています。