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【産婦人科医コラム】ピルと血栓症 その22019.02.01

ピルと血栓症 その2

前回のコラムは、血栓症がどのようなものか、実際のリスクはどのくらいあるのかについてお話いたしました。

今回は血栓症を予防するためにできることについてお伝えしたいと思います。

血栓症のサインを見逃さない

ピルをはじめていただくにあたって、私たち産婦人科医は下記のような症状がないか、必ず確認させていただいています。

  • A;激しい腹痛
  • C;息苦しさや胸の押しつぶされるような痛み
  • H;激しい頭痛
  • E;目の症状(視野が欠けたりかすんだりしないか)
  • S;ふくらはぎのむくみや腫れ、痛みがないか

もし、そのような症状があるならすぐに受診をして検査をしてもらいましょう。

血栓症は早く見つけて早く対処するのが大切です。

中には上記のような症状が何もなく突発的に発症する患者さんもおられますが、多くの患者さんが上記の症状に早めに気づくことで発症を予防できています。

血栓症のリスクを増やさないために気をつけるとよいことは?

皆さん、「エコノミークラス症候群」という言葉を聞いたことがありませんか?

飛行機で旅行中、長時間狭い椅子に座ったままの状態が続くと、飛行機を降りて歩き始めたとたん、急に呼吸困難やショックを起こすというこの症状は、実はこれも血栓症なのです。

ピルを服用しているときは「エコノミークラス症候群」を発症する危険性も高まります。危険性の足し算ですね。

ディズニーランドへ行った帰りの長距離バスや、海外旅行帰りの飛行機の中で血栓症を発症した患者さんもいらっしゃいました。せっかくの楽しさが消えてしまいますね。

水分をしっかりと補給する、弾性ストッキングを履く、適度に運動したり足を動かすことが、血栓症の予防策として挙げられます。

旅行などで長時間座った状態が続くときは、気をつけてみてください。

ピルは避妊効果だけでなく、月経コントロール、生理痛の改善など多くのメリットもあるお薬です。

きちんと注意して飲めば、生活の質を上げるには非常に良い薬です。

興味のある方は、まず婦人科を受診して相談してみてくださいね。

奥久人

女性クリニック We おおさか

女性へのメッセージ

当クリニックは、大阪メトロ御堂筋線「心斎橋」駅から心斎橋筋商店街に入り、徒歩3分という立地にあります。地域の特性上、月経にまつわるトラブルや感染症に対する治療が多くなります。日本で認可されている低用量経口避妊薬は全種類取り扱っており、個々の症状に応じた薬物選択が可能です。婦人科疾患についても、薬物療法だけでなく手術や感染症、ホルモン治療に精通した専門医がおり、薬物療法から手術療法までライフプランに応じた治療計画をご相談いただけます。また、提携施設にて、当院医師が手術にも立ちあい、術前から術後の治療に至る継続した診療が可能です。

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