【産婦人科医コラム】低用量ピルについてのいろいろなこと(2)~私が最近外来でやっていること~2019.05.17
前回のコラムでは低用量ピルの処方体験についてお話いたしました。
今回もユーザーの方からのご意見と、本日は最近私が外来で行っていることをお話いたします。
最近ではピルユーザーの方から、
「本当にパーフェクトな避妊が女性の立場で主体的にできるんです。」
「先生、生理がホントに楽になるんですよ」
「簡単に生理日が移動できるんです。」
「飲み始めは少し太るけど、飲み続けるともどりますよ。」
など、はじめはこちらが説明していたようなことを聞くようになってきました。
投与法についても10年ほど前に、「とにかく生理が来てほしくない」という方からの相談があり、通常の3週間飲んで1週間休むサイクルから、試験的に1相性の低用量ピルの9週間連続投与1週間休みという飲み方に変えてみて、満足していただきました。
私が最近外来でやっていることは、以下の3つに尽きます。
私が最近外来でやっていること
- ピルに関係のない病気で来院された患者さんであっても、時間が許せばピルの紹介をする
- しかし、無理には勧めない
- スマホやメールなどで確実にフォローアップする
ピルが他の薬剤と大きく違う点は、避妊薬として健康な女性が飲む薬であること、すなわち単なる治療薬ではなく、社会的な使命を持った薬であること、そしてもう一つが生理痛や生理不順の治療薬としての面も持っていることに尽きると思います。
今後の課題はピルの服用率を現在の1~2%から10%程度に高めることです。
そのためにはピルの避妊、生理痛の緩和などのメリットを特に若い世代に知ってもらい、そして必ず話に出てくる副作用の話と血栓症の話を産婦人科医ならびに医療従事者が折に触れ「そんなに心配するものでも恐れるものでもないですよ」と説明してゆく必要があると思っています。
*文中の記載内容には薬剤の適応外使用が含まれます。
*薬剤を使用する際には主治医の判断に従ってください。